ワーケーション体験談

オフィスを持たない会社のコミュニケーション

株式会社ソニックガーデン野本 司さん

オフィスを持たない会社としても有名な株式会社ソニックガーデン。全員がリモートワークで管理のないフラットな組織として注目を浴びています。

リモートワークというと、離れた場所で各々がそれぞれの仕事をしていて、それで円滑なコミュニケーションはとれるのだろうかと疑問に思いがちです。しかしソニックガーデンでは、仮想オフィスの「Remotty」を活用することで、毎日メンバー同士顔を合わせています。誰が出社した、ランチはどこに行くといった話題まで、仕事をする上でも、ちょっとした雑談も、コミュニケーションに何ら問題はありません。

そんな働きかたの中で、「ワーケーション」の意味は、「たまには物理的に会うのもいいよね」というスタイルだそう。これまでにも様々な場所で行われています。

なんと初めて会うメンバーも。日本中からメンバーが集まるワーケーション。

ソニックガーデンでは「ワーケーション」という言葉を使っていません。メンバーが日本各地にいるので様々な場所で会う機会を作るのは、自然な流れだからです。ソニックガーデンでは当たり前のようにワーケーションが行われているのですね。

普段は仮想のオフィスで顔を合わせるソニックガーデンのワーケーションの目的はもちろん「密な交流」。

「会う」だけでなく、寝食をともにする機会になります。普段、オフィスで顔を合わせるよりもより深い関係を作る手段になります。ここで初めて会うというメンバーも少なくないそう。

普段は会っていなくてもたった一度のワーケーションで深い関係づくりを行うことも難しくないのかもしれません。

寝食を忘れて没頭するハッカソンには、一軒家が最適なワークスペース。

開発合宿を目的としたワーケーションは楽しいからやる!

和歌山県では開発合宿を目的にしたワーケーションを開催。リモートワークで働く会社のワーケーションはどんなものなのでしょうか?

ビジネスの成長を支えるソフトウェアの開発を行うソニックガーデンらしく、和歌山県で行ったワーケーションのテーマはハッカソン。

ハッカソンとはソフトウェアを開発するために、プログラマやデザイナーなどが集まって数時間から数日、集中的に作業し、与えられた時間の中で完成を目指すイベントです。その間は寝食も忘れ没頭することも多くあります。ホテルでは全員が集まって、夜通し作業をするのは難しい。ぎゅっと集まって話ができる場所となると一軒家が最適ということで、滞在場所はAirBnBで探したそう。

場所は日本最古の温泉のある南紀白浜。白い砂と青い空のコントラストが美しい「白良浜(しららはま)」がシンボルの観光地です。夏場は混み合いますが、オフシーズンは大変落ち着いていて、開発合宿にもぴったり。ソニックガーデンが選んだのは、歩いて行ける場所に温泉やレストランもあり、ワーケーションとしてはぴったりの場所でした。

24時間でソフトウェアの開発をゴールとしたハッカソン。そう聞くと「スキルアップ」を目指したイベントなのだな、とすぐに考えてしまいますが、あくまでも「楽しいからやっている」そう。

もちろん持っているスキルをシェアしたり、業務を円滑に図るための情報共有というメリットもあると思いますが、もっとも大きな目的はコミュニケーションにあり、誰も「仕事」だとは思っていないそうです。

ハッカソン自体はどこでもできますが、あえて遠い和歌山で行ったのは、行ったことのない場所を訪れ、観光も楽しむことができるからだそう。もし東京での開催だったら参加しないというメンバーも多いのではないだろうかと経営企画室主任の野本さんは言います。より多くの参加を促すためにも、また充実した時間にするためにも、バケーションの要素も重要だということがよくわかります。

また、30代から40代の世代が中心で、家が仕事場だと、普段ずっと家族がそばにいます。あえて家族と離れる時間を作ることは物理的にも精神的にも普段と違ったものを得られます。普段は仕事に追われ、家族との時間を作らなければと考える世間とは真逆の考え方ですね。

近くに心休まる環境があることは、集中力をアップするのにも役立つ。

食事も美味しく、すぐに温泉に入れる。仕事とバケーションのメリハリがつく。

白浜は東京からは飛行機で1時間。大阪からは特急で2時間ほどです。関西空港からも近く、日本全国、また海外からもアクセスしやすい場所です。それも全国にメンバーが散らばるソニックガーデンの場所選びには重要な要素となります。

和歌山の印象は「観光地とはいえ、静かなところ」。海水浴シーズンの夏場は混み合う白浜もオフシーズンで、落ち着いてリラックスできたそう。普段、都会で慌ただしい時間を過ごしていると、ゆっくりした時間や雰囲気だけでもリラックスができます。

開発合宿で意外と重要になるのは食事です。朝から晩までずっと開発を行っている中で、ほっと一息つける食事の時間は重要な時間。食事をする場所や食料を買う場所が近くにあるということは非常に重要な要素だそう。白浜であれば食事どころやスーパーも近くにあるので、開発合宿にはぴったりな場所です。

またすぐにバケーションができる環境にもいることで、「終われば温泉!観光!」とモチベーションを高めることもできますし、終了後には疲れた体をしっかりと休めることができて一石二鳥です。

新しい働き方を実践する会社のワーケーション

ソニックガーデンは特別なことではなく、ごく自然にワーケーションを行なっています。普段は毎日会い、休みに離れる、という一般的な会社とは真逆。お話を聞き進めていく中で、むしろソニックガーデンのスタイルの方が、メンバー同士の関係性が良好に築けていくのかもしれないと感じました。

きっとソニックガーデンは、今後も日本の各地でワーケーションを続けていくのだと思います。新しい働き方を実践する会社のワーケーションに学び、新しい関係性の構築やリフレッシュを目的としてはもちろん、「楽しいからやる」という気持ちでワーケーションを実践できたら、新しい働き方が見えてくるのかもしれません。

野本 司さんのワーケーションスケジュール

  1. Day 1
    14:00
    南紀白浜空港
    東京から4人、岡山から3人のメンバーが関西空港で合流。直接会うのは初めてのメンバーもいましたが、何も違和感もなく一路白浜へ。
    15:00
    白良浜
    透き通るような白良浜へ。夕日がきれいです。
    円月島
    中央に円月状の穴があいている円月島へ。
    崎の湯
    温泉、崎の湯で海の音をききながら入浴。
    18:00
    ホテル
    チェックイン
  2. Day 2
    06:00
    ホテル
    終日、アプリ開発のハッカソン。途中、海鮮丼の昼食をとる。
    22:00
    長久酒場
    ハッカソンを終えて宴会。最後は和歌山ラーメンを食べました。
  3. Day 3
    10:00
    千畳敷
    とても変わった岩盤の千畳敷。台風中継でもよく映される場所です。
    南方熊楠記念館
    和歌山の知の巨人、南方熊楠の記念館を見学。
    三段壁洞窟
    三段壁洞窟で記念撮影しました。
    12:00
    地元カフェ
    昼食とリモートワーク
    15:00
    南紀白浜空港
    帰路につく
今回ご協力いただいた方