「気づく」人材を育てる越境学習。アウェイな環境がもたらす組織変革

1月27日にJMAM越境学習vol.1として、オンラインワークショップ「個人の学びや経験を組織に行きわたらせるには」を開催いたしました。人事部のご担当者様をはじめ、様々な業界、職種の方にご参加いただきました。
学習効果を個人にとどめず組織に効果的に広げていくために何ができるか。越境学習の可能性についてのお話と高知県土佐山地区の先進事例をお聞きいただいた上で、グループに分かれ意見交換を行いました。今回はそのダイジェストレポートをお届けいたします。
第1部 はじめに 15:30~15:40
・本プログラムのゴールと流れの認識あわせ
・ツールの利用方法を確認
◆第2部 理論や事例のインプット 15:40~16:30
● 個人の変化から組織が変わる力が生まれる「越境学習」の考え方
株式会社日本能率協会マネジメントセンター 新事業開発部長 川村泰朗
→越境学習で、VUCA時代に必要な「自ら問いを立てる」人材を育てる
1)越境学習は、従来のの企業内教育の学習限界を超える可能性のある新しい学び
2)越境学習とは、アウェイでの体験を通じた多元的自己の形成と、ホームとアウェイの往還により、固定観念や暗黙の前提に疑問(問い)立てる体験・活動
3)越境学習に決まったプログラムがあるわけではない。身近に越境学習が存在するので、既存の人材育成の枠組みや施策の中に、越境的学習の要素を取り入れることらはじめるとよい。
4)地域への越境で難しいのは、課題の設計。解決すべき課題は必ず「現場」にある。
5)越境学習の効果は、越境先で異なる文化や価値観・情報を持つ複数の人と出会い、共に課題解決に取組む過程において、多様な文化や価値観、情報を統合する必要性を感じることである。
● 越境で学び、組織を変える事例の紹介「NPO法人土佐山アカデミー」
NPO法人土佐山アカデミー事務局長 吉冨慎作氏
→土佐山アカデミーホームページはこちら
・越境のすすめ〜越境してきた人のその先を担う土佐山アカデミー。越境先で何に気がつき,何を持ち帰ってもらうかの設計を行っている
・土佐山アカデミーでは「風の人」と「土の人」を繋ぐ「水の人」を育み、越境を容易にする(つまり越境をデザインする)
・遊びと学びの境界線をなくしていく。課題を資源にする。学び方の学び方に気がつく。大人の才能のむだづかいといった状況を作り出していく
第3部 ワークショップ(創造的対話) 16:30~17:30
・各グループにファシリテータをおいた、小人数グループディスカッション
※ファシリテーターから順番に「問い」を投げかけていきます。皆様個々の組織における問題や課題など深堀していきながら、各社それぞれで実行できるアイデアを創り上げていきます。

参加者の感想、まとめ
・学びは個人のためなのか、会社のためなのか、越境先のためなのか、学習の目的と効果について多角的に議論が進んだ。
・学びの設計、主催側の意図で何でも越境学習になると感じた。
・組織に浸透するには経営陣の巻き込みも大事。まずは参加してもらって越境を楽しんでもらい、予算どりの道筋をつける。
・学びの効果が上がると、人材流出のリスクを考慮する必要が出てくる。
・研修や学習後に報告するだけではなく、伝える場、コミュニケーションの場を作っていくことが必要