岩手県釜石市とワーケーション事業の包括連携協定を締結

~“幾度もの困難を乗り越えた、不撓不屈の精神”に学び、自己成長につなげるワーケーションプログラム~

2020年5月21日、日本能率協会マネジメントセンター(JMAM)と岩手県釜石市は、釜石市におけるワーケーション事業の実施に向けた包括連携協定の締結式を行った。人材育成に強みを持つJMAMと東日本大震災からの復興とオープンシティ戦略を推進する釜石市が協働のもと、ワーケーション領域での連携を図る。

協定締結式は、新型コロナウィルス感染症にかかる緊急事態宣言発令下ということで、東京・中央区のJMAM本社と釜石市役所をオンラインで結んだビデオ会議形式で開催された。

締結式ではまず、釜石市総務企画部長の佐々木勝氏が、包括連携協定の主な内容として、ワーケーションを通じた地方創生、ワーケーション事業の実施を通じた地方創生・働き方改革等にかかるプログラムの造成及び実施など、4つのポイントを説明。

続いて、JMAMのワーケーション事業を統括する新事業開発部長の川村泰朗氏が「釜石市との連携協定を結ぶ背景には、釜石市とJMAMの強みを合わせた“ワーケーション”によって、“地方創生”と“働き方改革”の同時推進が可能」としつつ、「場所にとらわれない働き方や、高い生産性、創造性を生み出すための仕組みづくりが各企業において重要となってくる。テレワークを活用し、職場や居住地から離れた場所で仕事を行いつつ、その地域ならではの体験から学びができるワーケーションがアフター・コロナの対策として関心が高まっている」と説明した。

なお、JMAMでは、座学では学べない体験による学びと、バックグラウンドが異なる人たちとの交流を通じて、企業のイノベーション人材育成を支援する「here there」という新しいプログラムを開発中だ。同プログラムにおける釜石市のワーケーションも、地域そのものを教材に見立て、釜石市だからこそ体験できるアクティビティと独自の人材育成のメソッドを組み合わせた内容となっている(図参照)。

署名式はオンラインということで、あらかじめ署名をした書類が用意され、釜石市の野田武則市長とJMAMの長谷川隆会長は「画面越し」に握手を交わした。

野田市長は、「東日本大震災で大きな被害を受けたが、全国の皆さまの協力を得ながら、復旧・復興に努めてきた。このときの教訓と合わせて、今般のコロナ禍の教訓をまちづくりにどう活かすかが、今後大きなテーマとなる。釜石市の『困難を乗り越えてきたまちの歴史そのもの』が学びの場となり、ワーケーションを通じて生きがいのある働き方につながれば」と話した。

続けてJMAMの長谷川会長は、「コロナ後の新しい生活様式には、新しい生き方・暮らし方に加えて、『新しい学び方』もポイントになる。新しい学び方とは、ふだんの仕事や日常生活だけではなく、豊かな自然、歴史、産業を持ち、災害を乗り越え未来志向で今取り組んでいる釜石市をはじめ、こうした地域の皆さんの姿勢や取り組みを通じてこそ学べるものだ」と話し、締結式を結んだ。

JMAMのワーケーション事業に関する包括連携協定は、2019年の和歌山県および同県田辺市、白浜市、新潟県妙高市に続き、釜石市は3例めとなる。今後もこれに参画する自治体は増える見込みだ。