【実施レポート】ラーニングワーケーション@福井県永平寺町(2023年2月実施)

県都福井市に隣接し、県内最大の河川・九頭竜川が中央を流れる永平寺町。

曹洞宗大本山「永平寺」を有するこの地では、豊かな自然環境が生み出す「食文化」や伝統と革新を感じることができます。

禅の精神にふれ、持続可能な社会のあり方、そして一人ひとりが自身の生き方を考え、こころの在り方を考えることそんな越境学習を実施しました。

2月某日、福井県の北部吉田郡にある町、永平寺でラーニングワーケーションプログラムが実施されました。

永平寺町でのラーニングワーケーションプログラムのコンセプトは、「禅」と「SDGs」をつなぎ、「ウェルビーイング」を考えること。

「禅」から自らの在り方を問い直し、地域での学びからこれからの持続可能な社会の在り方を考えます。
期間中は対話を通じて多様な人との連携を開拓します。

本プログラムには、県外に本社のある企業や団体から今回は7名が参加しました。

今回のプログラムの特徴は、3泊4日のプログラムで、永平寺町のフィールドワークを通して、地域のさまざまな人と交流し、永平寺町の持つ地域資源や、まちづくりの活動について深く知ること、そして大本山永平寺での参禅研修を通して、自分と向き合い、「ととのう」を経験することで、これからの生活や行動を見つめていくきっかけになることを目的としたプログラムです。


〈1日目〉初日のオリエンテーション。参加するメンバーと初顔合わせ。

事前研修のオンラインでは、顔を合わせていた参加者たち。対面で初めての顔合わせでは、すでに前から知っていたような、とても和やかな雰囲気。

今日から4日間、個性豊かな参加者の方々と、どんな越境学習になるのか。各々、さまざまな期待感を寄せて、雪の降るなか、福井県福井駅に集結しました。

まずは、研修オリエンテーションを受けます。

雪の降るなか、福井県に集結した7人
本プログラム現地の関係者の方々のご挨拶
この越境学習では時折、いくつかの問いが投げかけられ、それに向き合いながら学びを深めていきます

早速、永平寺町へ!実際に目で見て、永平寺町の人々の暮らしに目を向けていきます。

バスに乗り込みフィールドワークへ
ガイドは永平寺町役場の渡辺さん。気さくでとっても明るい方
水量豊かな清流大河・九頭竜川は、鮎やサクラマスの「釣りの聖地」として全国の釣り人が集います。
九頭竜川資料館を訪問

永平寺町に住む人々の共助の考え方

過疎地での新たな移動手段をつくる取組、次世代に鉄道を残す取組。

地域共生型サービス企業の方々の、新たなMaaS の取組とそれに関わる人との交流事例を聞いて、考えて持続可能な社会についてディスカッションしていきます。

地域の人々は、自動走行やご近助タクシーの取組に、何を期待しているのだろう。。。

そして、この取り組みによって、どのような嬉しさを感じているのだろう。。。

ここでの暮らしについてさらに深掘っていきます。

MaaS
実際に乗り込んでみます!乗り心地はどうだろう?

〈2日目〉

地域の学び2日目、えちぜん鉄道福井駅に集合

えちぜん鉄道

電車を貸切り、電車の中でえちぜん鉄道の持続可能な交通インフラとして、地域との寄り添い方についてご説明いただきました。なんと贅沢!!

そこには、あたたかくてやさしい地方鉄道の魅力がいっぱい

昼食は古跡館「りうぜん」でおそばをいただきました。

かつてから、永平寺門前近郷ではどこの家でも、そばを打てないところはないといった状況だったようです。

この土地の人たち流、つまり永平寺流のようなものが生まれ、長年受け継がれてきたとのこと。

今もなお、古老の語り伝えをもとに、永平寺流そばの作り方に従い、手作りで香り豊かに精進して作っていらっしゃる「りうぜん」では3種のおろしやとろろ、胡麻風味の味が楽しめるりうぜんそばを美味しくいただきました!

りうぜんさんは古跡館だけあり、貴重なものがたくさん展示してあり、まるでそこは博物館。

店主の山本さんから道元、禅宗の歴史について教えていただき、これから参籠する永平寺の歴史について深く知ることができました。参加者たちも興味津々な様子。

歴史的なお宝がたくさん
大正期から昭和初期に使われた「道元禅師行状記図解」で
ご説明くださる山本さん

いよいよ参禅体験へ

770 年にわたり脈々と受け継がれる大本山永平寺を訪れた参加者の皆さん。

まずは、外拝観を案内していただき、このお寺の長い歴史と散策をしていきます。

鐘をつかせていただきました

山門を通って、いってらっしゃーい。

これからどんな参禅研修が待っているのか、、、若干緊張感のある様子。

〈3日目〉

翌朝、坐禅を中心とした禅の修行体験を終え、清々しい表情で山を降りてきた参加者たち。

無事に下山でき、笑顔の参加者の皆さん

禅にふれて自分に向き合い、あらためて普段の生活や行動を見つめる機会を得ることの大切さ、

貴重な「調う」体験をした参加者たちは次のプログラムのため移動。

四季の森文化館という複合施設に移動し、

自身の参禅研修の振り返りと、

持続的に営まれてきた永平寺から、持続可能性について考える時間をとりました。

昼食までの間は、各自テレワークや、参禅研修の疲れをとるなど思い思いにの時間をとりました。

ホールには大本山永平寺の「絵天井の間」と同じく230枚の美しい天井絵が
四季の森文化館にはこんな素敵なお部屋も

午後は地域での学びとして、福井県立大学 高野准教授の「自らが、社会が、社員が、ウェルビーイングであるには何が必要か」について、ご講演を聞きました。

続いて、参加者だけでなく地元の人々と共にアイデアソン

ウェルビーイングであるには何が必要か、、、地元の人々と一緒に考えていきます。

そしてチームごとに発表しました

模造紙にまとめチームごとに発表
発表中
発表中
地元のお菓子で小休憩


〈4日目〉

越境学習最終日

越境体験を通して、自己・会社・家族・社会を見つめなおし、参加者が各々永平寺町での学びを思い起こし、そこから何を自身の生活に持ち帰るのかを発表していきます。

そして、最後は、こっそりバディーフィードバック!!

JMAMの越境学習プログラムでは越境先での様々な体験を通じて自身の視野、価値観が拡がっていくことに気づいていきます。

こっそりバディは、その気づきを更に深める仕掛けです。

「こんなに人から見られてて、褒められる経験は久しぶり!」そんな声も。

一緒にプログラムに参加している他者から最終日に自分自身の変化について、フィードバックを受けることで、自分だけでは気づけなかった自分の変化に気づくことができます。

また、自身も他者を観察し、フィードバックすることで他者の価値観との⽐較のもと⾃分の価値観を把握することができます。

福井県永平寺町
3泊4日の越境学習  無事全プログラム終了

お疲れ様でしたー!